Eminem / The Death of Slim Shady (Coup de Grâce)    |
![[Eminem / The Death of Slim Shady (Coup de Grâce)]](gif/eminem4M.jpg) |
Eminemの4年ぶりのアルバム。自身のオルターエゴであるSlim Shadyの死をテーマにした作品で、長年の決着をつけたということであろう。Lyricでは、z世代のキャンセルカルチャーを皮肉ったりしている。身内の制作陣で固めたTrackは、今までとあまり変わりない気もするが、暖かみのあるスローバラードの⑮⑲もあって、一層、馴染みやすいものとなっている。50歳を越えても⑧の高速ラップなど、流石のラップスキルで、まだまだ若さを維持している。 |
|
Michael Kiwanuka / Small Changes    |
![[Michael Kiwanuka / Small Changes]](gif/mkiwanuka4M.jpg) |
Michael Kiwanukaの5年振り、4作目。引き続き、全曲、Danger MouseとInfloによるプロデュースとなり、ミディアム~スローのフォーキーなソウル、ロックが展開されている。懐かしい感じのメロディに、アラファーになったMichaelの落ち着いて滋味を増したVocalが、とても馴染んでいる。Trackはシンプルなバンド構成でありながら、丹念に作られており、特にギターが主張しすぎず、存在感を示しており、⑧などはインスト曲になっている。 |
|
21 Savage / american dream     |
![[21 Savage / american deram]](gif/21savage1M.jpg) |
London生まれ、Atlantaで活動するRapper, 21 Savageの3rdアルバム。長らくの不法移民扱いを経て、晴れてグリーンカード取得したことを記念して2024年春にリリースされた。ということもあり、自身の半生と母親への感謝が綴られており、そんな母からの①とラストの⑮での語りには、ぐっとくるものがある。サウンドはTrapが中心となり、ゆったり目のTrackに21 Savageの落ち着いたRapがのっかっている。後半にかけては、Summer Walker, Brent Faiyaz, Burna BoyらのVocalゲストを招いたメローで、どこか懐かしい感じの曲が続く。制作陣では、随所でMetro Boominが良い仕事をしている。 |
|
Camila Cabello / C,XOXO    |
![[Camila Cabello / C,XOXO]](gif/camilacabello4M.jpg) |
Camila Cabelloの2年ぶりの4作目。前作に比べると、髪をブロンドに染めて、イメチェンした感じで、ホームタウンであるMiamiでの多感な少女時代を意識した作品になっている。ラテン色の強いポップアルバムという作風は維持しつつ、Hip-Hopに近づいた曲も多く、Playboi Carti, Lil Nas X, Drakeなど有名どころをゲストに招いており、それぞれがインパクトを残している。後半にかけての哀愁感のあるミドル〰スローもCamilaの切なくキュートな唄声に意外とマッチしている。 |
|
LL Cool J / The FORCE    |
![[LL Cool J / The Force]](gif/llcoolj1M.jpg) |
2024秋にリリースされた大ヴェテラン LL Cool Jのなんと11年ぶりの新作。こちらもヴェテランであるQ-Tipがほぼ全曲Produceしている。ゲストとしてSnoop, Eminem, Nas, Busta RhymesにRick Rossと大物が脇を固めており、ブランクを感じさせない良質なHip-Hop作品となっている。サンプリング中心のTrackはオーソドックスでありつつ、古臭い感じは無いが、この辺はQ-Tipの功績が大きい。LL Cool Jのラップも力強く、二人の相性はかなり良さそう。メローな⑥ではSaweetieが唄とRapで華を添えている。 |
|
Nia Archives / Silence Is Loud    |
![[Nia Archives / Silence Is Loud]](gif/niaarchives1M.jpg) |
UK中部のBradford出身のSinger, Producer、Nia Archivesの2024年夏のデビューアルバム。ジャマイカ移民3世であり、子供のころから、Reggae、Hip-Hop, Jungleなどに親しんでいたとのことで、2020年代にはいって本格的音楽活動を開始し、EPをいくつかリリース後、比較的早くメジャーからのアルバムリリースに至っている。本人も言っているように、JungleとBrit Popの融合がコンセプトとなっているアルバムで、Popで明るいのが何よりの特徴となっている。メロディも馴染みやすく、広く受け入れられそう。VocalはErykah Baduっぽいところがあって、柔らい印象を受ける。Writing,とProduceがほぼNiaとEthan P Flynnだけなので、全体的に単調なところはあるが、ノリを楽しむだけで十分な作品になってると思う。 |
|
Muni Long / Revenge    |
![[Muni Long /Revenge]](gif/munilong1M.jpg) |
2023, 2025と続けてGrammyを獲得し、女性R&B Singerのトップグループの1人となったMuni Longの旧名義を含むと4枚目のアルバム。フロリダ出身で2009年にPriscilla Renea 名義でデビューし、その後はSong Writerとしての活動が目立っていたが、2020年代に入り、Muni Longに改名してからの活躍は周知のとおり。そんなわけで活動歴は十分で、年齢的にも30台半ばだが、声からは少し若い印象を受ける。TrackはTricky Stewartが6曲の制作に携わっており、スローが多めのオーソドックスなR&Bで安定感がある。他にミディアムやアップでクラブっぽい⑧、GroRilla参加の⑨なども。Lyricは始めて自身の経験や感情を表現しているとのことで、⑭では離婚による心の痛みを唄っている。 |
|
JPEGMAFIA / I LAY DOWN MY LIFE FOR YOU     |
![[JPEGMAFIA / I LAY DOWN MY LIFE FOR YOU]](gif/jpegmafia2M.jpg) |
去年(2023)年のDanny Brownとのコラボ作が大好評だったJPEGMAFIAのソロとしては5作目。パンク、ヘビーメタル、サイケにブラジルのバイリファンキ、Jazzなど、様々なジャンルの音楽を雑多に混ぜ込んだコラージュ的なアプローチは今まで同様。ヘビーなTrackが多めだが、メローな⑬で和ませてくれたりもしている。全体的には、Experimentalでありながらも、孤高な感じでもないので、比較的聴き易く、次に何がでてくるか、耳をそばだてる必要がある。これをゲストプロデューサー少な目でやりきってしまうのは流石だと思う。 |
|
Rapsody / Please Don't Cry     |
![[Rapsody / Please Don't Cry]](gif/rapody3M.jpg) |
2024年夏にリリースされたRapsodyの5年振り4作目。⑨でついにグラミーを受賞している。5年という不在感を埋めるように22曲の大作になっているが、各曲が短めで、押しの強い曲は少ないので、ゆったりと聴けると思う。BLK ODYSSY, S1, Eric G, Major Sevenなど中堅の制作陣が、ストレートなHip-Hopを中心に, Reggae, スローなR&Bなど様々な曲調のTrackを提供している。アルバムを通して、Rapsody自身の内面に問いかけた自己探求と回顧を経て、自信を取り戻すといたストーリーが根底に流れていて、その始まりとして②は本人の1st nameを曲名にしており、後半にかけて癒しを感じさせる曲も並んでいる。ベテランの域に達している人であるが、フローのスキルだけでなく、リリシストとしての一面が強く押し出されたアルバムになっている。 |
|
Lalah Hathaway / VANTABLACK    |
![[Lalah Hathaway / VANTABLACK]](gif/lalahhathaway1M.jpg) |
Lalah Hathawayの7年ぶり7作目となるオリジナルアルバム。90年代から活躍してた人なので、少ない気もするするが、客演が多く、ずっと一線にいた人でもある。タイトルのVantablackは”人工の最も黒い物質として世界記録を誇る非常に黒いコーティング”とのことで、ほとんどの光を吸収するという。黒人としてのアイデンティティを見つめなおし、様々な音楽に接してきたLalahを投影した作品にぴったりである。①⑤⑧などは、そういった意識をストレートに現した曲であるが、それだけではないので、全体感は決して重くはない。曲調もバラードだけでなく、アップ、ミディアムをバランスよく配しており、ダンサブルな曲もある。また最後の2曲が、インスト曲から主にハミングだけの曲と続き、アルバムの締め方として斬新だと思った。前作から引き続きのPhil BeaudreauにJuan Andres Carreno Arizaを加えた、畑違いの制作陣と、曲によってはしっとりと、または軽やかなLalahのVocalの相性も良さそうだ。 |
|