Site Contents

Album Review 2016


Black Music Album Best 50
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998

Album Review
2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998

Reggae & Jazz

Live Shot

Hip-Hop Magazine Review

planet.KY home





 
Omar / Love In Beats
[Omar ./ Love In Beats] Omarの5年ぶりのアルバム。PianoやHornなどをアクセントにおいたJazzyなバンドサウンドはひたすら、お洒落で瑞々しくてメロウ。WaltzやBossaっぽいTrackもあるが、全体的には70年代ソウルを今風に解釈した印象。ゆったりした曲を中心にしつつ、抑制の効いたアップな曲もあって、なかなか都会的であり、バーなどでかかっていると良い感じになりそう。FloacistやLeon Wareとの共演も的を得ているし、Omarらしく、丹念に丁寧につくられた作品だということが判る。
Anthony Hamilton / What I'm Feelin'
[Anthony Hamilton / What I'm Feelin'] 企画ものだった前作を挟んで5年振りとなるAnthony Hamiltonの7枚目のスタジオ作。2016初夏のリリースである。聴きながらまだまだ若々しいなぁと思ってたら、アルバムリリース時で45歳と意外と若く、そう意味では渋さに年齢が追い付いてきたということだろう。スロー曲中心で落ち着きのある曲がほとんど。沁みてくるような曲が多めで、抜群の安定感を見せている。教会出身だけあって、それっぽいタイトルの曲も多いが、曲調としてはGospelということはなく、いつもの無骨なR&B一直線な作品である。
The Weeknd / Starboy
[The Weeknd / Starboy] The Weekndの1年3カ月振りとなるメジャー3作目。前作でGrammyを獲得し、一般受けすることも証明されたわけだが、それをさらに進めてPopでメロディアスでメインストリームなR&Bに一層近づいている。高音とファルセットが特徴的な唄も、一昔前に流行ったナヨっとした若手Vocalを一瞬想起してしまう。当初の捻じれてアンビエントな感覚も前面には押し出さず、曲の土台として埋め込まれている気がする。とはいえ、Indy時代からの仲間であるDoc McKinneyによるTrackはなかなか凝っていて、官能的なThe Weekndの唄を支えている。最初と最後を占める、すぐにそれとわかるDaft Punkプロデュース曲も印象的である。
Gallant /Ology
[Gallant / Ology] DC生まれで、Maryland育ち、24歳(リリース時)のR&Bシンガー、Gallantのデビューアルバム。2016年春に配信開始、その後Physicalもリリースされ、Grammy賞にもNominateされている。とにかくメロディが良い曲ばかりで、Gallantの感傷的で繊細なVocalが絶妙にマッチしている。ファルセットを多用しているが、地声に芯があって青臭くないところがありがたいところ。曲はR&Bベースに、Rock, Houseなどをとりまぜ、切なく懐かしい感じであったり、アンビエントであったりと耳障りが良い。カナダ人のStintが多くの曲をProduceしている。9曲目のTitleはアニメの宮﨑(駿)監督のことらしいです。
YG / Still Brazy
[YG / Still Brazy] デビュー作がスマッシュヒットとなったYGの2作めのスタジオアルバム。Compton出身でBloodsにも所属していたという出自そのままのGファンクなアルバム。哀愁感漂うシンセをフィーチャーしたミドル-スロー曲中心の構成であり、今回は唄はなしで、よりコアなGangsta Rapに近づいている。Lyricもそちら方面がメインになる。YGのRapは前作に比べると、しっかりと力強さが増し、芯ができた気がする。ゆるいループに身を任せると癖になりそうなアルバムである。
Childish Gambino / "Awaken, My Love!"
Childish Gambinoの3作目。本名のDonald GloverでStandupやActorとしても知られ、MixtapeのリリースなどArtistとしても長く活動している芸達者な人で、前作で名を知られるようになり、今作のヒットにつなげている。その前作はRapメインだったのだが、今回は唄のみとなる。サウンドは一言でいうとP-FunkやSly周辺の音楽を現代に蘇らせた感じでGeorge Clintonも称賛しているとのこと。なので、ファンクで、ところどころサイケでコミカルでスペーシーで、ということになる。メロディーも同様であり、Upでノリの良いものが中心になっている。ライブを見てみたくなる作品である。
Kamaiyah / Good Night In The Ghetto
[Kamaiyah / Good Nitht InThe Ghetto] Oakland出身の女性Rapper, Kamiyahの初Mix Tape。自身のサイトからDownloadできる。MissyやTLCに影響を受け、YGのアルバムに使われるなどし頭角をあらわそうかというところのようだ。若干に21歳ということだが、低音の落ち着いたRapを聞かせ、声は中性的で言われなければ女性とは気が付かないほど。Trackはもろ90年代のWest Coastっぽい懐かしいサウンドへのオマージュに溢れ、ゆるくチープで打ち込み中心なものがほとんど。なかでもファンクなチューンなどはかっこいいです。
Bruno Mars / 24K Magic
[Bruno Mars / 24K Magic] Bruno Marsの約4年ぶりとなる3作目。その間にMark RonsonとのUptown Funkを成功させていたが、その流れを汲んだゴージャスでノリノリのアルバムになっている。80年代後半から90年代前半の、いわゆるブラコンと呼ばれていたFunkでDicsoな音楽へのオマージュがたっぷりで、Zapp, Michael Jackson, New Jack Swing, JBなどを思わせる曲が散りばめられている。それだけでなく、スローはメロディアスで、アップはキャッチーで判りやすくと曲自体の出来が素晴らしい。ちなみにProducer TeamのShampoo Press & Curlというのは、Brunoにthe Smeezingtons時代からの盟友Philip Lawrence、新たにBrody Brownによる3人組のようだ。Bruno MarsのVocalも絶品で、オリジナリティはさておいて、単純に楽しめる作品だと思う。
Young Thug / Jeffery
[Young Thug / Jeffery] 2016年夏にリリースされたYoung ThugのMixtape。アルバムタイトルのJefferyというのは本人のFirst Name。全曲、実在の人物(但し、Harambeは悲劇のゴリラの名前)を曲名としている。全体的にはサウスマナーの哀愁を帯びたスローな曲が多く、Raggae, Dubの影響も受けている印象で、その上にいつもの甲高いYoung Thugの唄うようなRapが乗っかている。ジャケット写真の本人による女装は大阪のファッションスクールに在籍したデザイナーによるもので、番傘をかぶっているのはそのためのようだ。男尊指向のHip-Hop界に一石を投じている人でもある。
Emeli Sande / Long Live The Angel
[Emeli Sande / Long Live The Angel] デビュー作が高評価を得たEmeli Sandeのライブアルバムを挟んでの4年振り、2作目。意外に長めのインターバルでのリリースである。Accousticで、時にストリングスがはいるバンドサウンドを従え、前作よりさらにエモーショナルに切々と歌い上げる。その痛みはジャンルは違うが、Mary J. Bligeに近いものがある。曲はほぼスローのみで、時にGospel Choirがはいるのが特徴的といえる。EmeliのVocalを100%フォーカスした作品だ。
Travis Scott / Birds In The Trap Sing McKnight
[Travis Scott / Birds In The Trap Sing McKnight] Travis Scottの2nd Album。デビュー作から1年という短いインターバルでのリリースであり、初のBillboard 1位も獲得している。そんな感じでのりにのっているだけあって、ひきつづきGuest陣も豪華だ。前作の路線を継承し、アンニュイでアンビエントでTrapサウンドに、Autotuneを多用したVocalを載せており、要所要所でのGuestによるRapがインパクトとなっている。やや暗めでゆったりしたTrackがほとんどだが、サウンドは尖り気味だし、先鋭さを失ってないと思う。
Rihanna / ANTI
[Rihanna / ANTI] 2016年春にリリースされたRihannaの8作目。Tidalからの無料リリースを経て、CDとしても入手可能になった。過去にないような抑制の効いたスロー曲がほとんど。それに十分、耐えうるRihannaの進化した歌唱を聴くことができる。20代もそろそろ終わりということで、時には声を荒げ、感情込めて唄っている。Trackのほうは、エレクトロをベースに楽器を組み合わせ、一部ではアコースティックなものもあり、適度な尖がり方で、落ち着いた印象を受ける。全曲、Producerが違うというのも今どきでは珍しいが、Rihanna本人がExec. Producerを務めていることもあって、アルバムとしての統一感は高い。
Schoolboy Q / Blank Face LP
[Schoolboy Q / Blank Face LP] Schoolboy Qの2年ぶりのフィジカル2作目。2016年夏にリリースされ、今回もチャートアクションは好調だった。社会派Rapが評価される昨今にあって、あくまでもWest Sideらしい、Gangsta Rapであり、全編シリアスで物悲しい曲が続く。打ち込み、サンプリング中心の如何にもな前半に比べると、後半はジャジーであったり、コミカルであったり、ダウナーであったりと、サウンド面で興味深いTrackが配されている。
Jamila Woods / HEAVN
[Jamila Woods / HEAVN] Chicago出身のPoet / Singer, Jamila WoodsのMix Tape。2016年夏にリリースされた。Chance The RapperやDonnie Trumpetとの共演を経てというところも含めて、Nonameと境遇が似ている。ちなみにこの3者ともGuestとして参加している。Jamila Woods含めChicago出身でMixTapeがメインで音楽性も近く、新たなコミュニティの台頭が感じられる。第一印象はErykah Baduから不思議キャラを引いた感じで、オーガニックで静謐で暖かく、耳に心地良い曲が多い。エレピをフィーチャーした楽器によるTrackに、囁くような自然体のJamila WoodsのVocalが一体化している。Lyricには社会性を帯びたものが多いようだ。
A Tribe Called Quest / We Got It From Here... Thank You 4 Your Service
[A Tribe Called Quest / We Got It From Here... Thank You 4 Your Service] ATCQの18年ぶりの作品。一旦、解散した後もリユニオンしてライブなどを行っていたが、アルバムとしてはこれが初。Phifeが2016年に亡くなってしまったので、事実上のラスト作ということになる。そんなPhifeも半数程度の曲には参加している。Aliも忙しかったらしく、Q-Tipが全作ProduceしたTrackは、Samplingを効果的に用いつつも、バンドによる演奏が多く、ノリが良く、キャッチーな曲がほとんどなので、なんとなく聴きやすくなった気がする。豪華Guestが多数参加しているが、あまりでしゃばらず、ATCQメンバーを引き立てている。
Alicia Keys / Here
[Alicia Keys / Here] Alicia Keysの4年振り6作目。旦那のSwizz Beatz含め地元New York出身のProducerをメインに、タイトルもHereということでNew Yorkを意識した、原点回帰的意味もある作品。CDジャケットにノーメイクで登場し、サウンドもバンド中心で、泥臭く、生々しい方向にシフトしている。R&B, Jazz, Gospel, Hip-Hop, LatinなどのBlack Musicの様々な要素を適度に組み合わせた構成になっており、飽きさせないし、成熟した印象を受ける。時にしっとりと時に激しく唄いあげるAliciaのVocalも当然、作品のハイライトになりうるが、こちらは発展途上な気もする。
Noname / Telefone
[Noname / Telefone] Chicago近郊出身の女性Rapper, Noname(旧名Noname Gypsy)のMix Tape。Chancer The RapperやDonnie Trumpetなどとの諸作における共演で世に名前を知られるようになった。なんといっても、つぶやくようで低体温なRapが特徴的で、TrackもPianoやXylophoneがフィーチャーされたバンドによる落ち着いてゆったりしたものなので、全体の印象はRapというよりSoul。Jazzっぽいところもあり、かなりクールで気持ち良い。Lyricも日常や身の回りを題材にしており、過去のどのHip-Hop作品とも一線を画している。同じような曲調の曲が続くが、33分強という短さなので、飽きずに聴き通せる。
Common / Black America Again
[Common / Black America Again] Commonの2年ぶり10作目。近年のUSの黒人人権問題をフォーカスしつつ、いつもながらのコンシャスで真摯で温かみのある作品である。ここ2作でメインプロデューサーだったNo I.D.はExecutive Producerに専念、曲はCarriem RigginsがProduceし、Robert Glasperが楽器とCo-Produceで全面的に絡んでいる。サンプリングを多用したTrackは、冒険的要素は控えめで、Chicagoやネオソウルっぽい、どこか懐かしい印象があるものがほとんど。的を得たGuestl陣によるVocalパートが多めで、アルバムとしての空気感は維持しつつ、適度にバラエティに富んだ構成になっている。
Jones / New Skin
[Jones / New Skin] 東ロンドン出身のVocal, Jonesのインディ・デビューアルバム。SprtifyやSound Cloud経由で見つかりデビューにいたったとのこと。ProducerもUKから精鋭たちがこぞって参加している。静謐ななかにも、地味に燃え上がるようなR&B作品で、JonesのVocalも適度に透明感がある抑えた心地よいものだ。ミディアム~スロー中心のTrackはバンドサウンドをベースに、もこもことしたエレクトロニックな要素が加わり、如何にもUK的。パーソナルな雰囲気をもつが、聴きやすくとっつきやすい作品だと思う。
Craig David / Following My Intuition
[Craig david / Following My Intuition] Craig Davidの6年ぶりのアルバム。Craig Davidと言えば、2Stepということになるが、それは今でも健在で、ぶれない姿はかえって清々しい。前半はそんなPopでノリの良い曲が続き、高速の唄うようなRapを披露しつつ、後半のスローでは、様々な曲調の唄を哀愁感をまぜつつ、しっとりと唄いあげている。デビューから15年たつが、歌声はまだまださわやかだ。今が旬なKaytranadaを含む多数のProducerを起用しながら、統一感のとれたアルバムである。
Solange / A Seat At The Table
[Solange / A Seat At The Table] 2012リリースのTrueがEP扱いなので、8年振りとなるSolangeのアルバム3作目。しかもメジャーでのリリースとなる、Grammyにもノミネートされている。Trueは、Dev Hynesの全面バックアップだったわけだが、今回はRaphael SaadiqをExecutve Producerに迎え、癒し効果抜群のナチュラルSoul Albumに仕上がっている。ただ、蓋を開けてみると、自身の住んでいたBlooklyn人脈のDave Longstrethら、UKから新進気鋭のSampha, サウスからLil Wayne等、バラエティに富んだGuestや制作陣が参加しており、変化をもたらしている。曲調はミディアム-スローでほぼバンドによる、ところどころJazzyなものだが、あくまでも中心にいるのはSolangeの囁くようなVocalだ。
Mac Miller / The Divine Femiine
[Mac Miller / The Divine Feminine] Mac Millerの去年ぶりの4作目。予想を反し、ジャジーでメロウでスムースでアンニョイなTrackに、Mac Millerの頼りなさげてよれた唄とRapが乗っかっているスロー曲がほとんど。バックは生楽器中心で、PianoやHornなどが有効的に使われており、ゆったりとした気分になる。また、今が旬なGuestが多数参加し、華を添えていて、そんな曲ではMAC MillerはRapに軸足を移している。特にAbderson.Paakが参加した②などはPopでカッコよいと思う。
Banks & Steelz / Anything But Words
[Banks & Steelz / Anything But Words] RZAとポストパンクのロックバンドIterpolのフロントマン, Paul Banksによるコレボレーション作。RZAからのオファーによって実現したとのこと。そんなわけなので、全体的印象は、Hip-HopよりのRockという感じで、Rapよりやや唄の比重がやや大きいか。シリアスな曲も多いが、Popなところもあり、意外と聴きやすい。何かが生み出されているというところまでは至っていないが、Guest MC陣のRAPは熱がこもっており、よくまとまっている作品だと思う。
NxWorries / Yes Lawd!
[NxWorries / Yes Lawd!] 今年(2016年)、絶賛ブレイク中のAnderson.Paak(MC, Vo)とKnxwledge(Producer)によるDuo作。Stone Throwよりリリースのデビューフルアルバムである。Knxwledgeによるサンプリング+打ち込み中心で一部楽器がMixされたメローでPopで、時にJazzyなTrackのうえで、Paakがひしゃげた声でMCと唄を繰り広げている。短い曲をどんどんつないでいく展開はクラブ向きだと思うが、普通に聴いてても気持ち良い。派手さはないが、2人の才能がうまく化学反応している作品だと思う。
Jordan Rakei / Cloalk
Australia出身の自作自演系R&Bシンガー, Jordan Rakeiのデビューアルバム。2013にセルフプロデュースのEPをリリースし、その後、数々の客演を経て、フルアルバムを出すに至っている。自身によるエレピをコアにした、ゆっくり目のバンドサウンドは浮遊感いっぱいで、アンビエントで、ジャジー。シルキーでやや頼りないVocalが絶妙にマッチしている。一言でいうと、極めて都会的なネオソウルという感じで、リラックスして聴ける。
Frank Ocean / Blonde
[Frank Ocean / Blonde] Frank Oceanの4年振りのアルバム。Def Jamを離れ、自身のBoys Don't Cryからのリリースで、現時点(2016/10)では、ストリーミングと配信のみで聴くことができる。傾向的には前作のChannel Orangeと同じで、ロック寄り浮遊感のあるアンビエントで濃密なサウンドであり、バンドによるTrackが多くなっている。その他にもサンプリング、打ち込み、アコースティックな曲もある。どれもゆっくりとした美しく切ない曲ばかりで、歌詞はより内省的になっている。統一感がとれた、極めて私的な作品になっているが、不思議と引き込まれてしまう。
Danny Brown / Atrocity Exhibition
[Danny Brown / Atricity Exhibition] Warpに移籍したDanny Brownの3年ぶりのアルバム。J.G.Balladの小説とJoy Divisionの曲にインスパイアされたというタイトル(日本語で虐殺展覧会)にふさわしいブッ飛んだ内容になっている。Hip-Hopをベースに、プログレを数曲サンプリングしたり、バンド曲にトラップ、グライムなど、濃密かつ猥雑でトッ散らかった印象がかなり新鮮だ。そんなTrackにDanny Brownが高音でひしゃげたRapをグイグイとまくしたてている。DrugばかりのLyricはいただけないが、相当に面白い作品だといえる。
Kanye West / The Life Of Pablo
[The Life Of Pablo] 2016年2月にリリースされたkanye Westの7枚目のアルバム。当初はJay-ZのTidalからのストリーミングのみであったが、その後、Apple, Sportify, Googleなどでも聴けるようになっている。また、Kanyeによると変化し続けるアルバムだそうで、曲が増えたり、Mixが変わったりしながら、現在に至っている。前作Yesusにみられた不穏な空気とエレクトロな印象は、半分薄れていて、だいぶ、Hip-Hop, R&Bよりになっているのは一安心。タイトルにもあるように宗教からの影響もあり、ゴスペルベースの曲があったり、ソウルフルな曲もあるが、一癖ニ癖あるところが流石、Kanyeだ。
Kendrick Lamar / Untitled Unmastered
[Kendrick Lamar / Untitled Unmastered] 5部門受賞したGrammy賞授賞式の17日後に突如リリースされたKendrick Lamarの未発表作品集。タイトルもなく、マスタリングもされていない8曲よりなる小品であるが、寄せ集め感はなく、それなりにまとまりの良いアルバムである。傑作だった前作(To Pomp A Buttefly)のようなコンセプチャルなところはないが、2014年レコーディングの曲が多く、個々の曲のクオリティは高いし、Kendrick Lamarのラップスキルもハイレベルだ。楽器をもちいたTrackが多く、特にRobert Glasperの絡んだ⑤などは素晴らしい。
Blood Orange / Freetown Sound
[Blood Orange / Freetown Sound] Devonte Hynesによるソロプロジェクト, Blood Orangeの3年振りとなる3作目。今回も本人のSong Writing, Produceがメインである。タイトルにあるFreetownは父親の出身地であるSierra Leoneの町の名前だそうで、スラム詩人なども参加し、社会問題などもとりあげたコンセプチャルな作品になっている。サンプリング、打ち込み、楽器を巧みに融合したTrackは、R&Bをベースにアンビエントで美しく、繊細だ。ただ、暗さはなく、PopやLatinぽいところもあって、すっきりと聴くことができる。聴き終えた後、なぜだか敬虔な気持ちになる。BookletのArt Workも凝ってると思う。
Beyonce / Lemonade
[Beyonce / Lemonade] 3年半となるBeyonceの6作目は、前作同様のVisual Album。ただ、今作は、Visualがメインで曲はサポート的なものと考えても良い。Visual(DVD)はPV集ではなく、切れ目のない一大叙事詩になっている。最初は夫に浮気された女性の話だが、後半から家族、ルーツを遡るアメリカ黒人女性の自己探しの旅みたいな話になっている。サウンド面では前半は陰鬱で重苦しく、後半は解き放たれて力強い印象の曲へと変わっていく。また、コンテンポラリーであったり、尖がったり、のりが良かったりしてるところは一切無くて、スロー中心で、ストーリーを体現する様々な曲調のTrackから構成されている。
Michael Kiwanuka / Love & Hate
[Michael Kiwanuka / Love & Hate] Michael Kiwanukaの4年振り、2作目。前作同様、朴訥した語り口のフォーキー・ソウルというスタイルは変わらないが、今回の特徴は、ストリングスを積極的に取り入れていること。おかげでサウンド的には奥行きが広くなり、情感が豊かになった。特に組曲っぽい①などは、かなり壮大だ。このへんは、半数以上の曲をProduceするDanger MouseとInfloの功績だろう。また、引き続き、出身地のアフリカ的な要素をとりいれた曲もある。これがUKで作られた作品というのにも驚く。John Legendの不在感を埋めてくれている気がする。
Kaytranada / 99,9%
[Kaytranada / 99.9%] ハイチ生まれでモントリオール育ちの23歳、Kaytranadaの1stアルバム。Anderson.Paak, The Internet, Chance The Rapperなど旬のArtistに曲を提供し、今、大注目のProducerである。サンプリングと打ち込み中心の作品で、一言でいうとおしゃれでクールなクラブミュージックということになるが、カッコ良いJazz風の曲や、ファンクの良い曲など、いろいろあって面白い。近くのアメリカより、UKっぽいジャンルレスな感覚がある。インストのみの曲も多く、VocalやRapもサウンドの一つとして扱っているように感じる。音数が少ないのに、これだけのTrackを作れるのは、なかなかの才能だと思う。
Maxwell / black SUMMERS' night
[Maxwell / black SUMMERS' night] Maxwellの7年ぶりの新作。前作からの3部作の2作目となる。たしか、立て続けにリリースされるとの当初の予定だったが、結局いつも通り、長いインターバルを経てのリリースとなった。Hod Davidと本人のProduceが中心でGuestも無し、隅々までコントロールされ、完成されたサウンドクオリティ、内省的で浮遊感のあるTrackに、ファルセットを使い分けた落ちたついたVocalなところもいつも通りである。前半は明るめのミディアムポップが続き、レゲエっぽい曲もあり、後半はスローが続くという構成で、ところどころバンドがメインではあるが、シンセが使われている。
Laura Mvula / The Dreamng Room
[Laura Mvula / The Dreaming Room] Laura Mvulaの3年振り、2作目。前作は良作ながら、わりとシンプルな印象だったが、今回はProducerも変わり、サウンド面の変化が大きい。特にLondon Symphony Orchestraの参加により、クラシックが大きくとりいれられているところが最大の特徴。これは静謐で穏やかなLauraのvocalや作風には合っている。他にも、エレクトロや、エスニックサウンドも加わり、型にはまらないダイナミックで凝ったTrackが多く、じっくり聴くと面白い。着実にいい方向に成長していると思う。
Mayer Hawthorne / Man About Town
[Mayer Hawthorne / Man About Town] Tuxedoでのアルバムをはさんで3年ぶりとなるMayer Hawthorneの4作目。前作より外部Producerは減って、Self Produce曲が増え、相変わらず、Mix, Masteringもこなしているが、パッケージとしてのクオリティはどんどん上がっていると思うし、唄も含めて安定感がある。フィーリーソウルやMotownを下敷きにした、スロー中心のTrackは、メローで上品でPop。単純にメロディが良い曲も多数で、多幸感のようなものも感じられる。
King / We Are King
[King / We Are King] LAを拠点とする女性R&Bグループの1st Album。自身のレーベルからのリリースである。2Vo+1Kbという構成で、Song Writing, Produce, Instrument, Recording, Engineerringを全てメンバーが担当する、かなりのSelf Containedなグループである。ジャケットからはノリノリなのを予想したが、実際は真逆で適度に抑制の効いて落ち着いた曲調で、鮮やかで浮遊感のあるサウンドが特徴的だ。ゆったりとしたメローなTrackに、調和のとれたvocal/chorusは聴いていて、とても気持ち良い。Formatにしてもサウンドにしても、現在のR&B界においては独特で新鮮な存在だと思う。
Drake / Views
[Drake / Views] デビュー以来コンスタントに作品をリリースしてきたDrakeの1年振り、たぶん5枚目のアルバム。デジタル、ストリーミングを換算して初週ミリオン達成だそうで、2017前半のチャートを賑わしている。最近の唄指向が一層進み、半分はVocalでRapのほうがアクセントになっている気がする。盟友、Noah "40" Shebibを中心とするProducer陣によるTrackは、いつものようにアンビエントで茫洋としてダウナーのもの。わりと抑え気味の曲が多く、20曲80分弱の大作でもあるので、若干単調気味になるのは致し方無いところか。それでも、メローな④や、ダンスホール要素を取り入れた⑫⑯などは新鮮な響きがある。
Ariana Grande / Dangerous Woman
[Ariana Grande / Dangerous Woman] Ariana Grande の2年振りの3作目。過去2枚の勢いを維持し、チャートアクションも良好だ。Producerが主に、Tommy Brown中心のものとMax Martin中心のものから構成されるのだが、前者がPopなR&Bで後者が尖がったサウンドのR&Bと傾向が分かれる。他にもNicki MinajとのRaggae曲などバラエティに富んだアルバムになっている。Arianaの唄も売れているだけに自信に満ちていて力強い。可憐なアイドルから若きR&B Divaへの成長をうかがわせる作品である。
Chance The Rapper / Coloring Book
[Chance The Rapper / Kanye West] Chance the Rapperの3年振り、3作目となるMixtape。現時点では各種ストリーミングサービスでの視聴、Datpiffなどからのオフィシャルダウンロードが可能になっている。前作のAcid Rapも話題になったが、今回はそれ以上で、ストリーミングのみでのBillboard 初Top10ランクイン(8位)を記録している。前作と印象はあまり変わらないが、今回は地元にヒーロー,Kanye WestやJunstin Bieberに著名Rapper陣をGuestに迎え、自身も所属するThe Social Experimentが 中心となってProduceしていて、その分、相対的にクオリティが上がっているし、メジャーな存在になったことを証明している。ソウルをベースによれ気味の唄/Rapに加え、何故だか親しみやすい雰囲気なのがChanceの特徴だが、ゴスペルを多用しているのは新たな試みといえる。また、ところどころアンビエントところもあったりする。⑩のクラブ風のTrackもカッコよい。2015年はKendrick Lamarの年だったが、2016年はChanceの年になると予感させる。
Prince / HitnRun phase two
[Prince / HITnRun phase two] 今年(2016)の4月に帰らぬ人となってしまったPrinceの今のところの遺作となる作品。前作よりほぼ半年という短いインターバルでHitnRunシリーズの続編としてリリースされた。その前作はEDMよりの曲があったりして、多少の寄せ集め感があったが、今作は通常運転。NPGをバックに、軽快でFunkなPopに、ファルセットによるメローなスロー曲と、これぞPrinceというアルバムになっている。既発表曲を5曲含んでいるものの、いつも以上のまとまりの良さも特徴的だ。全体のトーンが非常に穏やかで、今後の方向性が示唆されていたような気もする。また、どの曲もメロディーが際立っていて、天才ぶりを再確認できるアルバムでもある。③のタイトルが今から思うと暗示的だ。
Kirk Franklin / Losing My Religion
[Kirk Franklin / Losing My Religion] Urban Gospelの第一人者、Kirk Franklinの年振りの11作目。本人はいつものようにSong WritingとProduce中心で、数曲でKeyboardを弾いている。女性Vocalによるノリの良いGosperl Choirがほとんどであり、ところどころしっとりしたソロのバラードを挟んでいる。また、一部でReggae, Hip-Hopの要素を取り入れているのもKirk Franklinならではのところ。全体としては既聴感たっぷりの判りやすいメロディに、迫力あるChoirが載ってくるので、大いに盛り上がる。ライブで聞いたら楽しいだろうな、という作品。たまには良いと思います。
Domo Genesis / Genesis
[Domo Genesis / Genesis] LA出身でOdd Future所属のRapper, Domo Genesisのメジャーデビュー作。生音によるバンド中心のTrackにRapと唄が半々という建付けだが、仲間のThe InternetがRock色を残すのと違い、こちらはグッとR&B色が濃い作風になっている。Hip-Hopよりの曲もあるが、ほぼ、スムースでクールでグルーヴィーなゆったり目のR&B曲で、それだけでもかなり心地よい。エレピ(たぶん)が効果的に使われており、浮遊感やJazzっぽさを醸し出しているのも特徴的。ややしゃがれたDomoのRapも良い感じでレイドバックしている。エレクトロブームの対極に位置付けられるのかもしれないが、自分はこちらのほうが好きです。
Anderson.Paak / Malibu
[Anderson.Paak / Malibu] Anderson.Paakの2作目。前作の高評価とGuest活動を通した注目度の向上を経て、1年強と短インターバルでのリリースである。そんなこともあって、著名な外部ProducerやGuestを迎えて、よりゴージャスな作品になっている。全体的な雰囲気として、Hip-Hopテイストは残るものの、個々の曲はバンドサウンド指向のR&Bが多めになっている。また、ノリの良いPopで聴きやすい曲も多く、万人受けも期待できる。ところどころで現れるJazz要素や、ひしゃげたVocal、茫洋とした雰囲気が残るところも魅力となっている。
Tamar Braxton / Calling All Lovers
[Tamar Braxton / Calling All Lovers] 前作で復活を果たしたTamar Braxtonの2年ぶりの3作目。その前作からの路線はそのままで、丁寧に仕上がった作品になっている。Trackは、90年代来のオーソドックスなR&Bだが、レゲエ、少しGosprel、メロディアスでしっとりとしたスロー、Popで明るい曲など相当にバラエティに富んだ内容になっている。またTamarの特徴である透き通って耳障りの良い高音が生かされた曲が多く、感情表現も上手なので唄に聴き入ってしまう。アラフォーならではの落ち着きと若々しさの両方を併せ持つ丁度脂ののった時期なのかなと思いました。
BJ The Chicago Kid / In My Mind
[BJ The Chicago Kid / In My Mind] BJ The Chicago Kidのメジャーデビュー作。名前通りChicagoの音楽一家(兄はSinger/ProducerのAaron Sledge)出身でLAに移り住み、Mary MaryやStevie Wonderのアルバムに参加後、去年あたりはDr.DreやKendrick Lamarなど高評価作に次々と客演し、満を持してのアルバムリリースとなった。とにかくVarietyに富んだ作品であり、前半はHip-Hopよりで、バウンシーな曲や今風のスペーシーで芒洋とした曲など様々で、中堅Producerながら、みな一工夫加えたアレンジがなされていて面白い。後半は、レーベルであるMotownらしい60年代風の曲や沁みるスロー曲を含め、メロディアスな曲が並び、Trackもオーソドックスなものが多い。Vocalも曲によって、Hip-Hopっぽかったり、また、ファルセット使いの端正な正統派ソウル風であったりと唄い分けていて、既に中堅の域に達している。2016年前半のR&B作としては出色の出来栄えだと思う。
Pusha T / King Push - Darkest Before Dawn: The Prelude
[Pusha T / King Push - Darkest Before Dawn: The Prelude] Pusha-Tの2ndアルバム。本人によると2016年リリース予定のアルバム"King Push"へのPreludeということらしく、そのためか、33分強と短めの作品になっている。最近のHip-Hopの流れにならって、Darkでヘビーで哀愁に満ちたトーンの曲が揃っている。Timbaland, Puffy, Kanyeなど今や懐かしいProducerがCreditに並ぶが、そんな中でもTimbalandが相変わらず尖がったTrackを提供しており、印象に残る。逆に旬なWordをタイトルにしたQ-Tipの⑨などはオーソドックスで力強いHip-Hop曲になっている。短いながら聴きどころの多い作品だと思う。
August Alsina / This Thing Called Life
[August Alsina / This Thing Called Love] August Alsinaの約2年ぶりの2作目。前作と大きく方向性は変わらないが、全般的にはHip-Hopよりになっている。サウスっぽいノリの良い曲もあるが、メロウなスロー曲、哀愁を帯びた曲などが中心となる。中高音使いのゆったりとした曲が、声にも一番合ってると思う。Trackはあまり尖がらずにオーソドックスなものばかりであり、AugustのVocalをうまく引き立てている。前作に引き続き、後半単調になるので、次回は変化を期待したい。
Copyright © 1998- 2024 planet.KY. All rights reserved.