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 Latest CD Reviews
 
Tyler, The Creator / Call Me If You Get Lost
[Tyler, The Creator / Call Me If You Get Lost] 前作ではGrammyも獲得し、現代Hip-Hopにおける最重要人物の一人となっているTyler, The Creatorの2年振り6作目。その高評価だった前作と、全体感はそうは変わらないが、唄からRapへと軸足を戻したのが最大の特徴となっている。また、DJ Dramaが各所で煽りを入れていて、彼のMix TapeシリーズのGangsta Grillzへのオマージュであることも判る。Trackはホラーな部分も少し残っているが、全般的にはメローで、Fluteを使った曲などノスタルジックなものが多く、リラックスした印象を受ける。Lyricでは、これまでと打って変わって、成功した自分をテーマにした曲が多い。Rapのほうは撚れたというか惚けたというかで、こちらは今まで通りだ。

Hiatus Kaiyote / Mood Valiant
[Hiatus Kaiyote / Mood Valiant] 前作の2作目が高評価で一気にメジャーな存在になったHiatus Kaiyoteの6年ぶりの3rd。ライブの忙殺されたり、VoのNai Palmの病気があったり、コロナ禍があったりと大分インターバルが空いてしまったが、そのぶんじっくりと制作に時間をかけたアルバムになっているようだ。Rock, Jazz, Funk, R&Bをミックスしたようなサウンドはそのまま、ブラジルからArthur VelocaiをGuestに加えて、⑥などではストリングスを採用して、変化をつけている。昔の曲、ライブで使っている曲、最近の曲など様々だが、結成ほぼ10年ということで、かなりの一体感のある作品であり、バンド演奏とは思えない凝った構成と演奏でのテクニックは流石である。今まで以上に、力強さや意思のようなものも感じられる。

Genesis Owusu / Smiling With No Teeth
[Genesis Owusu / Smiling With No Teeth] Ghana生まれで2歳の時にAustraliaに移住したというGenesis Owusuのデビューアルバム。アルバムジャケットのインパクトに引けをとらない、押し出しの強さを持った作品になっている。敢えてジャンル分けするとアフロパンクになるのだが、曲調のふり幅は相当に広い。軽快なロック、メローなR&B、キャッチーなポップ、メロディアスな曲に、オルタナっぽい曲など、本当に多様な構成になっていて、それでいて、どれも判りやすいので、万人受けしそうな印象を受ける。Rapと唄が半々くらいであるが、こちらは割と控えめで、Rapはややゆるめで唄うような感じ。唄はファルセットを多く、一部エフェクトを使ったりと飽きさせない工夫が施されている。今年(2021年)に23歳になるようなので、今後がまだまだ期待される。

Slowthai / Tyron
[Slowthai / Tyron] デビュー作が高評価だったSlowthaiの2年ぶりとなる2作目。本人の1st nameをタイトルにしている。2部作になっていて、大文字タイトルの前半は前作同様、社会への不満やDrugなどをテーマにした曲が続く。後半は、自身の内面に向き合った曲が多い。サウンドは引き続き不穏な印象ではあるが、特に後半、優しい印象のTrackが増えたように思える。Slowthaiのすこしよれ気味の語り掛けるようなRapには、そんなTrackが合っている。Guestはこれも引き続きのSKeptaやJames BlakeといったUK勢に加え、A$ap RockyにDenzel CurryとUSへの進出も視野にいれていそうだ。

Joyce Wruce / Overgrown
[Joyce Wrice / Overgrown] LA出身のSinger, Song Writer, Joyce Wriceの初フルバム。自身のインディレーベルからのリリースである。母親が日本人ということで、表情には日本人の面影が残っている。ただ、サウンドのほうは今どきの王道R&Bで、アップ、ミディアム、スローがバランス良く配されている。D'Mileがメインプロデューサーなので、Trackのクオリティは安定しており、その中で尖った曲も数曲あって、飽きさせない。また、Lucky Daye, Freddie Gibbs, Westside Gunn, KAYTRANADA, MndsgnといったGusetも通好みでアルバムに幅を持たせている。既に28歳ということで、若くてキラキラという感じではないが、透き通って芯のある歌声はなにものにも代えがたいし表現も豊かだと思う。⑬で突然、日本語の歌詞がでてきて、あ、そうだったんだなと思うが、それ以外は和なところはない

Serpentwithfeet / Deacon
[Serpentwithfeet / Deacon] Serpentwithfeetの3年ぶり、2作目。前作に比べて、インダストリアル色はなくなり、エクスペリメンタルなところも抑えめと、大分、印象が変わり、穏やかで、聴きやすい作品になっている。本人もソフトで優しいものを作りたかったと言っているが、まさにその通りのアルバムである。ただ、アンビエントで荘厳な雰囲気と高音のVocalにゴスペルチックはコーラスは前作から踏襲されており、前半は、特にその印象を受ける。クラシックがかった部分も少し残っている。後半の⑥あたりから、より、Popになり、⑪なんかはラテンぽいところもある。Produceは前作にUKより、引き続き、SamphaとさらにLil SIlvaも参加している。本人とボーイフレンドが登場する、ゲイを前面に押し出したジャケットにひるまずに、良質なR&B作として是非、聴いてほしい。

Brandy / B7
[Brandy / B7] 2020年秋にリリースされたBrandyのなんと約8年ぶりの7作目。この間に40代となり、もちろん大人の成熟したR&Bアルバムになっている。Darhyl Camperがメインプロデューサーを担い、サウンドは前半はコンテンポラリーなもの、後半にGuestを配したオーソドックスなものが多く、全体的には安定度の高い王道R&Bとなっている。UP~Midium~Slowと曲調は様々で、Brandyの抑制の効いた歌唱をうまくマッチさせてると思う。Daniel CaesarとのGrammyノミネート曲など既出のシングルも含まれている。

R+R=NOW / Live
[R+R=NOW / Live] Robert Glasper率いるユニット、R+R=NOWのライブアルバム。3年前にリリースされた1作目からの4曲と追加の3曲での構成となる。ちなみにメンバー構成もそのまま。今回もTerrace MartinがSaxが効けるのはラスト1曲だけで、他はSynthesizerとVocalでの参加となる。サウンドは前作とあまり変わらず、エレクトリック・ジャズをベースに、VocalとSynthesizerがアクセントととなっている。VocalはVocoderだったり、エフェクターをつかったりと生音声は使わず、その分、フューチャリスティックな印象となっている。さらに全体としては、スペーシーで茫洋としたサウンドになっている。客席とのやりとりや後半にかけての盛り上がりはライブアルバムならでで、特にラストはWeather Reportっぽく面白い。

Busta Rhymes / Extinction Level Event 2: The Wrath Of God
[Busta Rhymes / Extinction Level Event 2: The Wrath Of God] 2020年暮れにリリースされたBusta Rhymesの11年ぶりのアルバム。E.L.Eシリーズとしてはなんと22年ぶりとなる。まさにそのExtinction Level Eventが起こってしまった2020年に言いたいことを詰め込んだ77分を越える大作になっている。以前と同様のハードコアなところをベースにしつつ、コンシャスな曲や、より耳にやさしい曲も加えて、長くても最後まで飽きない構成になっている。自費で制作したらしく、Guestも新旧とりまぜて超豪華であり、特に後半になるにつれて、女性GuestのRapsody, Mariah, Mary参加のTrackに代表されるPopな雰囲気の曲が増えてくる。本人のRapもゴリゴリしたものだけでなく、穏やかなものも多く、このへんは既にアラフィフということを感じさせる。それでも以前と同様の力強さを感じさせるアルバムである。

Celeste / Not Your Muse
[Celeste / Not Your Muse] California出身、UK育ちのシンガー、Celesteの1stアルバム。デビューは大分前から期待されていたそうで、26歳でやっとのリリースにこぎつけたとのこと。その分、デビューアルバムとは思えない落ち着きと完成度の高さを感じるUKソウル/ポップの秀作である。ジャマイカとイギリスのハーフということだが、あまり黒っぽくはないそのスモーキーな歌声でAmy Winehouseに比べられることが多いようだが、彼女のような破天荒なところはなく、どちらかといったら優等生っぽく感じる。Trackは語り掛けてくるようなしっとりとしたスローが多く、ミディアム、アップも数曲。Lyricは恋愛のことを唄っていて、せつなさがひしひしと伝わってくる。

 
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